日々これ上々

なにげない毎日のささやかな事件?を記録します。

久しぶりに読んだ、佐々木正美先生の本

出産して右も左も分からなかった私が、最初に感銘を受けた本が、
佐々木正美先生の「子どもへのまなざし」でした。
当時、初めての育児で初心者マークの私が、在宅で仕事をしていて、疲労困憊。
慢性的な睡眠不足、思い通りに行かない毎日・・・。
主人とケンカをする時間さえ私の睡眠時間に直結していて後回しにしていた私が、
心の栄養を求めてむさぼるように一気読みしたのを覚えています。
あっという間に続・完まで読み進めました。
どうやって育てたらいいのだろう?と心許なかった私に
「覚悟を決めて、子供に向き合おう」と育児の指針が決めてくれた本でした。

佐々木先生がおっしゃっているのは一貫していて、
「子どものいうことは何をどれだけ聞いてあげてもいいですよ」ということ、
子どもの中で「育ちあう」ことの大切さをおっしゃっています。

それでですよ。
佐々木信徒になった私は、引っ越し(兵庫から東京へ)をする前までは出来るだけ子供のやりたい事、
例えば、U字溝の蓋の穴を一つ一つ覗いていき、息子と「おみずあるねー」とひと穴ひと穴言い合ったり、
ベビーカーに乗らない子だったので、ベービーカーを畳んだ状態で腕にかけ、
トタトタ走っている子をえんえんと追いかけたり、
昼間は一切仕事はせずに、どんなに寝ていなくても、疲れていても、昼間は子供の相手をしようと決めていました。
そして、佐々木先生のいう「育ちあい」を意識して、毎日のように公園に行きましたし、
同じくらいの子が入れば積極的に話しかけたり、
引っ越し(東京から兵庫へ)したばかりで知り合いが皆無だったので、
バス停で一緒になった同じくらいの子どもを連れたお母さんをお茶に誘ったり、
市が運営する子供の遊び場にもえっさえっさと出かけていました。
だからなのかはわかりません。環境も良かったのでしょう。
とっても人懐っこい、好奇心旺盛な可愛い我が子が出来上がっておりました。
私、頑張ってたなと我ながら思います。

ところがですよ。前置きが長くてすみません。
引っ越し(兵庫から東京へ)を期に色々な事が重なり、息子、子供恐怖症へ(私が勝手につけた名前です)。
知らない子どもが近づいたら悲鳴を上げるようになった時の私の衝撃、
分かって頂けるでしょうか???

ここから私の迷走劇が始まります。
色々な人から助けてもらいつつ、遠回りをしながらなんとか頑張って今があるわけですが、
でも、あの頃の様にお友達大好きな息子には戻ってないんだな。
もしかしたら引っ越さなくても今の息子なのかもしれないし、分からない。
「人生すべてが順風満帆とはならないのでしょうがない」と時間をかけて思えるようになってきましたが、
なかなかどうして、「育ちあい」の大切さを説いた佐々木先生の本を、
本当に長ーーーい間、開くことが出来なくなっておりました。
開くと色々な想いが渦巻いて苦しくなるし、「じゃあ、うちの子はダメな子なの?」と
悲しくなってしまって。


でも、最近、ようやく、私自身の傷が癒えてきたのかな。
本屋で佐々木先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」を久々に立ち読みをして、
思わず買ってしまいました。
去年出版された本で、ママ向けのファッション誌の「子育て相談」の回答者である佐々木先生の言葉を
まとめた本ということです。
書いていることは変わらないし、
なにか劇的な発見はありませんでしたが、
それでも大切な事は変わらないなーと。
そして、佐々木先生の本を読むと相変わらずとっても優しい気持ちになるなーと感じています。

あとがきを雑誌のライターさんが書いていらっしゃって、
本文もそうですけど、なんだかすっかり私の心に染みてしまいました。
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佐々木先生の言葉は、荒れた海の向こうに光る灯台でした。
その明かりはあまりに気高く、あまりに真実で、とてもたどり着けないほど遠くに感じたものです。
でもその明かりがあったから、進むべき方向だけは間違えずに来られたのだと思います。
(略)
大好きな佐々木先生の言葉があります。
『人には必ず、いい面と悪い面があります。誰にでも、善の部分と悪の部分があります。その中の、いい面を信じるのです。
善の部分を信じるのです。それが人を信じるということです。』
子どものいい面、夫のいい面、そしてわたし自身のいい面。それを信じることが出来れば、
家族はきっといい方向に向かっていくのだと、今の私は確信しています。
(略)
最後にこの本を手に取って下さった読者のみなさまにこの言葉を捧げたいと思います。
佐々木先生が相談の締めによく付け加えて下さった、おまじないの言葉です。

『大丈夫ですよ、必ずいい子に育ちます。』
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本当だな、本当だなーと思って読み終えました。
佐々木先生はもう亡くなってらっしゃるので、
お会いすることはできませんが、
きっと私が子育ての相談をしても
『大丈夫ですよ。必ずいい子に育ちます。』って言ってくれるでしょう!!!
私の中でちょっと前進だったかなー。
気持ちも新たに日々を送ろうと思います。