日々これ上々

なにげない毎日のささやかな事件?を記録します。

私にも痕跡、そして、息子の気持ちを理解した

「ぼくらの人生をたった一度でも横切るものは、
そこに消すことのできぬ痕跡をのこすということなのか。」

                         by遠藤周作


野球をやめました。
息子、やめると伝えた次の日は、少し不安定になり、
ちょうどバイオリンのレッスンに行く日だったのですが、「今日は気力がわかない」とぐずっていました。
でも、まあ、連れて行って、
バイオリンの先生に「なんか眠そうだけど大丈夫??」とかなんとか心配され、
私が「今日はちょっと不調です。」と伝えると、
やわらかめのレッスンにして下さり、帰るころにはすっかり元気になっていました。

そして、野球最終日。
息子はさっぱりした顔。
監督やコーチにはメールで伝えていましたが、
改めて、
息子の監督やコーチに今までお世話になったのに申し訳ないという気持ち。
会えなくなるのは寂しいという気持ち。
野球を中途半端に続けるのは嫌で、やるならちゃんと試合に出られるように頑張りたい、
でも、そうすると将棋をやる時間が無くなるのが嫌で、
今は将棋をやりたいと思っているという気持ち。
親としての沢山の感謝の気持ち。
を話して、
監督もコーチも「野球より好きなものができてしまったなら仕方がない。頑張れよ!勝負飯、楽しみにしてるから!」って感じで、
チームメイトも「将棋がんばれよー。新人戦だけはこいよー。」など言ってくれて、
とてもよい最後の日となりました。

なんとなく息子と監督、コーチだけの問題かと思っていたのですが、
母たちが
「息子くんに会えなくなるのも寂しいけど、〇〇さん(私)に会えなくなるのが寂しいよ~」と言ってくださって、
私、泣きそう(笑)。
私もまさに同じことを思っていて、でも、なんとなくそんなことを言っていただけるとは思っていなかった。
やっぱり息子が2年生の時から同じ時間を共有していたということは、私にも「そこに消すことのできぬ痕跡」を残しているんだなと。
一緒に心を一つにチームを応援することはもうなくなるのかと思うとね、ちょっとした喪失感ですよね。
改めて気づかされたのでした。
で、冒頭の遠藤周作の一文(笑)を思い出した、笑。
2年生からやっていた野球。
私が思うよりも息子にとっても大きなものだったのでしょうね。
去年までは「〇ちゃんにとっては野球は大切なの!」って言ってたもんね。
最近おばさんなので、感性が鈍くなっているけど、改めて息子にとって野球をめぐる人の輪は大きなものだったんだなー、それを失うとなれば、そりゃ、心の休養も必要だったかもなーとバイオリンの日のぐずぐずを理解したのでした。

とはいえ、夫、コーチ不足&自分の運動不足解消のため、たまにコーチに行こうかなーとかいっているので、
ご恩返しのためにも頑張っていただいて、
家族で新人戦や最後の大会なんかには応援に行けたらいいな。
息子も色々な人に野球でお世話になったことを大切に心にしまって、次へ向けて頑張れたらいいなと思います。
辞めると報告したすぐは、テレビで野球を見たりするのがちょっと辛かったようですが、
今は普通に見ています。若いと傷が治るのも早いのかな。

将棋教室では、ライバルができて、1週ごとに勝ったり負けたりしています(笑)。
いつの間にやら仲良くなっていて、昨日は家の住所を聞かれていた(笑)。
いつか時間があるときに打ちに来てくれるそうです。

最近めばえ教室の先生から言われたことをかみしめています。
ブログをしていると振り返れていいですね。

「1つのことへの集中力が強いので、たくさんの子の中にいるよりも少人数でじっくり学べる(遊べる)環境の方が伸びる子ですね。」
「○ちゃんは、『誰かと一緒に』とかではなく、自分でどんどん好きなものを見つけて、それをつかんでいく力があります。なにも心配しなくても大丈夫です。
本当に超個性的で、とっても心のいい子です。」

5年生になって、また昼休みは1人で本を読んでいることが多いようですが、信じることが大切ですね。
思わず心配してしまう私。
息子に比べて、心の弱い母だなー。
頑張れ、私!!